NetVault Tips #030

 クリーニング・メディアの残り使用可能回数が"0"になったら通知を受け取りたい (Linux IA32)

 

NetVaultの設定でクリーニング・メディアの残り使用可能回数が0になった場合、下記のようにデバイス管理画面に"クリーニング・メディア： 使用済み"が表示されます。しかし、この表示はNetVaultのログに残らないため、運用上、定期的にデバイス管理画面を確認することが必要になります。今回のTipsでは、残り使用可能回数が"0"になった場合、管理者に自動的にE-mailを送る方法についてご紹介します。なお、今回は、Red Hat Enterprise Linux v.4 AS Update2 (32bit)を使って動作を確認しました。

方法としては、先月のTipsでご紹介したクリーニング実行時に出力されるログに対してイベントを定義し、
グローバル通知機能を用いて、そのイベントが生じたときにスクリプトを実行し、残り使用可能回数を監視します。つまり、スクリプトが監視する残り使用可能回数は、デバイス管理画面上で定義したものを検出するのではなく、NetVault上の設定に合わせて別途作成したファイルを通して管理することになります。

  1. まず、イベントが発生した時に実行されるスクリプトを作成します。

    【サンプル・スクリプト】 nv_detect_exhausted.sh

    #!/bin/sh
    #
    # このスクリプトは、クリーニング・メディアの残り回数を監視します。
    # NVNAMESTARTnv_detect_exhausted.shNVNAMEEND 
    #

    NVHOME=/usr/netvault
    LIFE_FILE=$NVHOME/scripts/nv_cleaning_media_life.dat
    TMP_FILE=/tmp/nvtmp$$

    NVSENDMAIL=$NVHOME/util/nvsendmail
    EXHAUSTED_SUBJECT="CLEANING MEDIA EXHAUSTED!"
    EXHAUSTED_MESSAGE=$NVHOME/scripts/nv_mail_exhausted.txt
    ERR_SUBJECT="ERROR OCCURRED!"
    ERR_MESSAGE=$NVHOME/scripts/nv_mail_err.txt

    typeset -i life

    # 適切な管理者のメールアドレスに変更して下さい。
    ADMIN_ADDR=xxxxx@xxxxx

    # 残り回数を保持するファイルがあるか確認します。
    if [ ! -s $LIFE_FILE ]
    then
    $NVSENDMAIL -d $ADMIN_ADDR -s "$ERR_SUBJECT" -f $ERR_MESSAGE
    exit 1
    fi

    # 残り回数を保持するファイルの最後の行を抽出します。
    tail -n 1 $LIFE_FILE > $TMP_FILE

    # 残り回数となる行頭のTABまでの文字列を抽出します。
    life=`cut -f1 $TMP_FILE`

    # 一時ファイルを削除します。
    rm -f $TMP_FILE

    # 残り回数が適切か確認します。
    if [ $life -le 0 ]
    then
    $NVSENDMAIL -d $ADMIN_ADDR -s "$ERR_SUBJECT" -f $ERR_MESSAGE
    exit 1
    fi

    # 残り回数を 1 減らします。
    life=`expr $life - 1`

    # 残り回数が0か確認します。
    if [ $life -eq 0 ]
    then
    # 残り回数が0ならば、その旨、管理者にメールし、ファイルも更新します。
    $NVSENDMAIL -d $ADMIN_ADDR -s "$EXHAUSTED_SUBJECT" -f $EXHAUSTED_MESSAGE
    echo "0 回になりました。再設定して下さい。`date`" >> $LIFE_FILE
    exit 0
    fi

    # 残り回数を更新します。$lifeと"回"の間は<TAB>を使用してください。
    echo "$life 回残っています。クリーニングは、`date` に実行されました。" >>
    $LIFE_FILE

    exit 0

    このスクリプトを実行すると、別途手動で作成した残り回数を保持するファイル(nv_cleaning_media_life.dat) に記載された残り回数を読み込み、"1"減らし、その情報を同ファイルに追記します。"1"減らして残り回数が"0"になった場合、管理者にE-mailを送ります。 

    管理者のE-mailアドレスを適切に指定する必要があります。ファイル中で、 "ADMIN_ADDR=xxxxx@xxxxx" という行を見つけ、"xxxxx@xxxxx"を適切なアドレスに変更して下さい。

    残り回数を保持するファイルの例を下記に示します。上記スクリプトでは、このファイルの最後の行の行頭からタブまでに記載された文字列を残り回数として読み込みます。
    ※このファイルに記載する残り回数はNetVaultのデバイス管理画面上でクリーニング・メディアに対して設定する残り回数と同じにして下さい。
     
    スクリプト内の以下の行の$lifeと"回"の間は、<SPACE>ではなく、<TAB>を使用して下さい。
    echo "$life 回残っています。クリーニングは、`date` に実行されました。" >> $LIFE_FILE 

    【サンプル・スクリプト】 nv_cleaning_media_life.dat

    #
    # このファイルは、$NVHOME/scripts/global/nv_detect_exhausted.sh に使用されます。
    #
    # 最後の行に下記型式でクリーニング・メディアの残り使用可能回数を保持します。
    #
    # 残り回数<TAB>附随情報
    #
    # 残り回数は、半角の数字を指定して下さい。
    #

    20 # 初期設定値:NetVaultのデバイス管理画面の設定に合わせて指定して下さい。

    その他必要なファイルとしては、管理者に送るE-mailの本文を別途ファイルとして用意しておきます。残り回数が"0"になった場合とエラーが起きた時の2種類を用意します。 
     
    最後の行の回数と"#"の間は<SPACE>ではなく、<TAB>を使用して下さい。 

    【サンプル・スクリプト】 nv_mail_exhausted.txt

    クリーニングメディアの使用回数が0になりました。

    NetVaultのデバイス管理画面でクリーニング・メディアの残り回数を再設定をして下さい。
    また、下記ファイルの残り回数も再設定して下さい。

    $NVHOME/scripts/nv_cleaning_media_life.dat


    このメッセージは、nv_detect_exhausted.shから送られました。

    【サンプル・スクリプト】 nv_mail_err.txt

    クリーニングメディアの残り使用可能回数が適切ではありません。
    以下のファイルを確認して下さい。

    $NVHOME/scripts/nv_cleaning_media_life.dat


    このメッセージは、nv_detect_exhausted.shから送られました。

    上記ファイルを下記に従って適切な場所に置きまきます。

    $NVHOME/scripts/global/nv_detect_exhausted.sh
    ※必ずこの場所に置いて下さい。

    $NVHOME/scripts/nv_cleaning_media_life.dat
    ※置く場所は、nv_detect_exhausted.sh内の指定と一致させる必要があります。

    $NVHOME/scripts/nv_mail_exhausted.txt
    ※置く場所は、nv_detect_exhausted.sh内の指定と一致させる必要があります。

    $NVHOME/scripts/nv_mail_err.txt
    ※置く場所は、nv_detect_exhausted.sh内の指定と一致させる必要があります。

    先月のTipsの手順 1～8までと10を行います (同手順 6をLinux上で行う場合は、デバイスログ・タブからではなく、ログ画面から行って下さい。 ログ画面上ではフィルタリングの設定を"全て"に変更し、全てのログ・メッセージを表示します。手順1-8と10をすでに設定済みの場合は、再度行う必要はありません)。
     
    "Log Daemon"クラスをダブルクリックすると、イベントタイプとして上で作成した"DRIVE1 CLEANED SUCCESSFULLY"が作成されています。さらにそのイベントをダブルクリックし、通知方法を表示すると、作成したスクリプトが選択できます (スクリプト・ヘッダのNVNAMESTARTとNVNAMEENDの間の文字列がグローバル・ノーティフィケーション画面上に通知方法として表示される名称となります
    )。該当のスクリプトを選択し、画面左上の保存ボタンをクリックして設定を保存します。
     
     
    次に、上記設定の動作を確認するため、デバイス管理画面でクリーニング・メディアの残り使用可能回数を"2"に設定します。また、スクリプトが使用する残り使用可能回数を保持するファイルにも"2"を設定します。
     
     
    【サンプル・スクリプト】 nv_cleaning_media_life.dat

    #
    # このファイルは、$NVHOME/scripts/global/nv_detect_exhausted.sh に使用されます。
    #
    # 最後の行に下記型式でクリーニング・メディアの残り使用可能回数を保持します。
    #
    # 残り回数<TAB>附随情報
    #
    # 残り回数は、半角の数字を指定して下さい。
    #

    2 # 初期設定値:NetVaultのデバイス管理画面の設定に合わせて指定して下さい。
     
    デバイス管理画面からドライブに対して、クリーニングを実行します。ログ画面でクリーニングが成功した事を確認して下さい。さらに、デバイス管理画面で残り回数が"1"になっている事を確認して下さい。
     
     
    さらに、スクリプトが使用する残り回数を保持するファイルも最後の行が更新され、行頭が"1"になっていることを確認して下さい。
     
    【サンプル・スクリプト】 nv_cleaning_media_life.dat

    #
    # このファイルは、$NVHOME/scripts/global/nv_detect_exhausted.sh に使用されます。
    #
    # 最後の行に下記型式でクリーニング・メディアの残り使用可能回数を保持します。
    #
    # 残り回数<TAB>附随情報
    #
    # 残り回数は、半角の数字を指定して下さい。
    #

    2 # 初期設定値:NetVaultのデバイス管理画面の設定に合わせて指定して下さい。
    1 回残っています。クリーニングは、2006年 3月 5日 日曜日 18:58:22 JST に実行されました。

     
    再度、クリーニングを実行します。ログ画面でクリーニングが成功した事を確認して下さい。さらにデバイス管理画面でクリーニング・メディアが"使用済み"になっている事を確認して下さい。
     
     
    さらに、スクリプトが使用する残り回数を保持するファイルも最後の行が更新され、行頭が"0"になっていることを確認して下さい。
     
    【サンプル・スクリプト】 nv_cleaning_media_life.dat

    #
    # このファイルは、$NVHOME/scripts/global/nv_detect_exhausted.sh に使用されます。
    #
    # 最後の行に下記型式でクリーニング・メディアの残り使用可能回数を保持します。
    #
    # 残り回数<TAB>附随情報
    #
    # 残り回数は、半角の数字を指定して下さい。
    #

    2 # 初期設定値:NetVaultのデバイス管理画面の設定に合わせて指定して下さい。
    1 回残っています。クリーニングは、2006年 3月 5日 日曜日 18:58:22 JST に実行されました。
    0 回になりました。再設定して下さい。2006年 3月 5日 日曜日 19:01:45 JST
     
    最後に、管理者にE-mail通知がされることを確認して下さい。

ご注意： 
本検証環境、Red Hat Enterprise Linux v.4 AS Update2 (32bit)で使用したスクリプトは、こちらからダウンロードいただけます。あくまでもサンプル・スクリプトのため十分なエラー処理の機構などはありません。また、サポート対象外となりますので予めご了承下さい。
 

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