NetVault Tips #058

NetVault Backup 8.x以降では、VTLのメディア・ファイルを作成するnvmakemediaコマンドが利用できるようになりました。本Tipsでは既存の仮想テープ・ライブラリ (VTL) のスロット数を拡張する手順をご紹介します。下記はWindowsでの操作例になりますが、LinuxでもUNIXでも同様の手順で追加いただけます。

1. 現在VTLは、c:\NewLibraryの下に、1ドライブ、4スロット、スロット当たり50MBの構成で作成されています。この構成に4スロット追加し、全部で8スロットの構成にしてみます。
   
   
2. まず、NetVault ServerのNetVaultサービスを停止します。
   
   
3. 次に、追加の4スロット分に必要なフォルダを作成します。VTLでは、VTLを作成したパスの下のslotsというフォルダに、スロット数分のフォルダが存在します。この例では、c:\NewLibraryにVTLを作成しているので、c:\NewLibrary\slotsにVTLのスロット数分のフォルダが1から4までの名前で存在します。ここに追加スロット数分として、5から8までのフォルダをエクスプローラーを用いて作成します。
   
   
4. 次に、作成した個々のフォルダに".media"というファイルを作成します。".media"ファイルは、VTL上でメディアが移動すると実際に移動するファイルとなります。そして、".media"ファイルには、実際にデータが書き込まれるファイル(=メディア・ファイル)へのパスが記述されます。
   
   すでに存在している".media"ファイルをコピーし編集することで、追加スロット分の".media"ファイルを作成します。この例では、まず、4という名前のフォルダ内の".media"を、5というフォルダにコピーします。コピーしたファイルをNotepadで開き、ファイル名の最後の4という数字を5に変更します。残りの6から8のフォルダにも、同じ手順で".media"ファイルを作成します。
   
   【変更前】
   
   【変更後】
   
   
5. 次に、メディア・ファイルを作成します。VTLでは、VTLを作成したパスの下のmediaというフォルダ (この例では、c:\NewLibrary\media) に、スロット数分のメディアに対応するファイル(=メディア・ファイル)が存在します。このメディア・ファイルに実際のバックアップ・データが書き込まれます。
   
   nvmakemediaコマンドを用いて新たなメディア・ファイルを作成します。コマンド・プロンプトを起動し、NetVault Backupがインストールされているフォルダの下にあるutilフォルダに移動します。そこに存在するnvmakemediaを以下のようなオプションで実行します。
   
   C:\Program Files\BakBone Software\NetVault\util>nvmakemedia 50m poplib c:\NewLibrary
   
   ここで"50m"は作成するメディア・ファイルのサイズです。"poplib"という文字列を指定すると、指定したVTLのすべての".media"ファイルをスキャンし、記述されているメディア・ファイルを確認し、存在しなければファイルを作成するかどうかの確認が表示されます。"y"と回答することでファイルが作成されます。
   
   
6. NetVault ServerのNetVaultサービスを再開します。
   
   
7. 最後に、NetVault GUIを立ち上げ、デバイス管理画面でスロットが拡張されていることを確認します。
   
   

nvmakemediaコマンドの詳細に関しましては、NetVault Backup 8.1 Command Line Interface Guideをご参照ください。